2015年03月12日

冬川智子『マスタード・チョコレート』

securedownload.jpg

冬川智子『マスタード・チョコレート』読了。

主人公のつぐみは美大を目指す高校生。
人より遅いスタートながら美大予備校に入学するところから物語は始まります。
「今から始めて現役で美大に入れますか」
「困るんです受からないと」
無愛想に講師に詰め寄るその理由は、
美大に行けば「ひとりきりの居場所」ができると思ったから・・・。

ああ、わかりすぎる。
僕も十代の頃まったく同じことを思いまして、
高校辞めて家を出た覚えがあります。
マイナス方向への過剰な努力。
あのバイタリティはなんだったんでしょうか。

結果的につぐみ(と僕)は、向かった先でより人との関わりを経験する事になります。
自分と同種の人間がいる事を知ったり、真反対の性格の友人ができたり、
好意の表し方を学んだり。
そういう一歩一歩がたまらなく愛おしかったです。
じんわり良かった傑作でございました。
ちなみにつぐみの友人・マリちゃんは一番いい子。


posted by ホイップ坊や at 04:21| Comment(2) | 漫画の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月18日

卯月妙子『人間仮免中』


卯月妙子『人間仮免中』、読了。
去年一昨年あたり話題になった漫画ですが、素晴らしかったです。

かつてAVの世界で活躍し統合失調症を抱えた著者が、
25歳上のボビー(日本人)と出会い恋に落ちます。
その日常のドキュメント。

作者の身に起こる出来事はとにかく波乱万丈で、
自傷、刃傷沙汰、幻覚・妄想となんでもあり。
どぎつさのオンパレードで、もうそれだけで
あちら側の世界を覗き見たいこちらの出歯亀根性は満たしてくれます。

でもそうは描かないんですね。
状況はいたって深刻で屈指の悲惨さなのに、
それを笑いに昇華させて、あくまで漫画チックに表現する。
チャップリンが
『人生はアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ』
なんて名言を残してますけど、
まさに遠目から見ればドタバタコメディのようなんです。

僕は、これほどの過酷さを、自己憐憫も一切見せず、
ユーモアで包んで表現できる、その強さにシビれてしまいます。
シリアスなものをシリアスに表現してどうすんだ、っていう強烈な意思と、
全身全霊の表現欲みたいなものをそこに感じて、
ただただ頭が下がりました。

キワモノドキュメントなんかじゃ全然なくて、
一個の漫画作品としてまっとうに凄いです。
傑作!ぜひ一読あれ。


posted by ホイップ坊や at 04:49| Comment(0) | 漫画の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月21日

ゲヘヘのヌベコ



ひょんな事から漫画家の先生からサインを頂きました。
かつてヤングマガジンで連載されていた「ゲヘヘのヌベコ」、鈴木一世先生。

プロの直筆絵ってため息出るほど美しいです。なんて神々しい。

IMG_0322[1].JPG


posted by ホイップ坊や at 13:20| Comment(0) | 漫画の話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする